【特別寄稿】
記紀から消された天御祖神
真実の日本の信仰観・歴史観を取り戻す
HSU人間幸福学部プロフェッサー 金子一之
(HSU新聞「天使の梯子」118号より)
私たちは今、大川隆法総裁の霊的探究をきっかけに、日本には3千年ではなく3万年もの歴史があり、富士山の周辺を中心に「富士王朝」と言われる高度な文明が存在したという、真実の歴史観を紐解きつつある。それは、宇宙神であり日本の創造神・天御祖神様の御降臨から始まった。本論考では、本当の日本神道の祖・天御祖神様のご存在と御教えを明らかにすることの意味を探る。
アストンによる
「神道」の問題点
W.G.アストンが書いた名著『神道』には、神道の「世界の大宗教に比べて決定的に未発達である特徴」が、序文に指摘されている(以下は筆者の要約)[1]。
(EBOOK)
①最高神がない
②偶像や道徳律が相対的にない
③霊の概念を人格化することが弱い
④来世の状態を実際に認識していない
⑤深く、熱烈な信仰が一般にない
これが彼の結論だ。よく見抜いている。同時に、彼が「神道」研究のベースにしたであろう『古事記』『日本書紀』(以下、記紀)には、この「世界の大宗教」の条件の部分が、きれいに切り取られたように抜けていることに気づく。
つまり、もともと〝あったもの〟がある意図のもとに削除された可能性に行きつく。
もともとあった
「天御祖神」の教えと
信仰とは何か
「記紀」には、教え、思想性と言われるものがほとんどないというのは研究家の共通した見解だが、それ以前の文献『ホツマツタヱ』には、アストンが指摘する「最高神」のご存在や宇宙観、霊的人生観を含んだ高度な教えが存在していた。
第一の特徴は、壮大な宇宙観と人間の本質を明確に示す教えだ。例えば、「アモト」と呼ばれる「大宇宙の中心」、「ムラボシ」と呼ばれる「銀河系星団」があること、地球を「クニタマ」と呼び地球が球体であるという認識を持っていたことなどだ。地球の球体認識は、紀元前6世紀のギリシャ哲学に遡るが、それよりもはるかに古いのだから驚きだ。
私たち人間は、すべて天御祖神の分け御霊であること。魂と肉体が一体となってこの世での人生修行を送り、死を迎えると魂と肉体は分離すること。心を磨いた度合いに応じて死後の行先がきまり、心清き者は天界に還り、再び人間界に生まれ変わる。欲を貪り、他人をかえりみない心で生きた者は「迷界」に行き、来世、獣に生まれ変わることもある、と説かれている。すなわち、仏教の「業」「転生輪廻」などの思想と共通性のある〝高度な教え〟を含んでいる。
第二の特徴は、古代日本の統治者と国民は、天御祖神への崇敬と感謝で満たされていたことだ。つまり、アストンが「⑤深く、熱烈な信仰心が一般にない」とした「世界の大宗教」の条件の一つが、実際にはあったことになる。創造主への純粋で熱烈な信仰心を持っていたわけだ。
『ホツマツタヱ』には、「生命はことごとく天御祖神からの預かり物で、これに例外はない」と説かれており[2]、宇宙を創造された天御祖神の被造物である自覚、生命を授かったことへの感謝を常に持っていた。
これとも関連するが、富士山について、「記紀」にいっさい記述がない不自然さを指摘する研究者もいる[3]。幸福の科学の霊査でも、天御祖神様が富士山の麓に開かれた「富士王朝」は、その後も3期に渡り存在したと言われている[4]。富士山は天御祖神信仰の大切な象徴なのだ。
「天御祖神」を削除した
日本の信仰観・歴史観は
「邪見」
複数の研究者は、『ホツマツタヱ』が「記紀」の原書にあたることを指摘している。
たとえば、『古事記』序文にヲシテ文献の存在が記されており[5]、元明天皇の指示のもと『古事記』編纂に携わった太安万侶自身も、序文においてそれらの文献を考証し撰択したと記している[6]。また、同時期に、時の政権の意図に反する文献の焚書が実行されていることから[7]、「ヲシテ文献」を基礎にしつつも意図的に編集・改竄されたことは十分あり得る。
最大の改竄は、天御祖神信仰を天照という女神への信仰にすり替えたことだろう。理由は、女帝政権の正統化のため、という説が有力だ。しかし、『ホツマツタヱ』を読む限り、この〝女神〟は存在しない。いちばん重要な日本の創造神「天御祖神」への信仰を抹消し、地上の人間たちの都合で騙った〝フィクション〟の上に築かれた信仰観・歴史観は、明らかに「邪見」の上に成り立っている。
渡部昇一氏は、日本の「国体の変化」は、「用明天皇の仏教改宗」以来5回あったという[8]。しかし、現在明らかにしている「天御祖神」信仰の真実は、国体の〝変化〟どころではない。「これから始まるのは『第二の建国』」[9]であり、日本の歴史を再構築する根本的パラダイムシフトである。
大川総裁が、「これから繁栄の世紀が来るかどうかは、こういう歴史の見方にも関係している」[10]と述べられているように、日本の未来を拓くには、真実の信仰観・歴史観を開示しなくてはならないのである。
【参考文献】
- W.G.アストン『神道』(EBOOK)
- 今村聰夫『はじめてのホツマツタヱ 地の巻』
- 小深田宗元『読み比べ 古事記とホツマツタヱ』
- 大川隆法『木花開耶姫の霊言』
- 池田満『ホツマ日本の歴史物語2』
- 福永武彦訳『現代語訳 古事記』
- いときょう『真実のホツマツタヱを求めて』
- 渡部昇一『文科の時代』
- 大川隆法『ダイナマイト思考』
- 大川隆法『奇跡の法』